フィリピンの東に台風11号が発生しました。その名も「ヤギ」。そもそもまだ台風10号が熱帯低気圧に変化したばかり。今後、温帯低気圧へさらに変化し、大雨は残るということで9月に入っても日常生活にも警戒が続きますが、次から次へ発生したり変化したりする台風と熱帯低気圧、温帯低気圧、の違いは何か調べます。
台風と何が違う?熱帯低気圧と温帯低気圧
熱帯低気圧
- 発生場所: 熱帯や亜熱帯の海上で発生する。
- エネルギー源: 暖かい海面から蒸発した水蒸気が凝結する際に放出される熱エネルギーを利用。
- 構造: 暖かい空気のみで構成され、中心付近の風速が比較的弱い。
- 特徴: 最大風速が17.2 m/s未満のものを指す。
台風11号発生後の12号ももはや時間の問題のようです!確かに「熱帯や亜熱帯の海上で発生」しています。
台風
- 発生場所: 熱帯低気圧が発達して台風になる。
- エネルギー源: 熱帯低気圧と同様に、暖かい海面からの熱エネルギーを利用。
- 構造: 熱帯低気圧と同じく暖かい空気で構成されていますが、中心付近の風速が非常に強い。
- 特徴: 最大風速が17.2 m/s以上になると台風と呼ばれる。中心に近づくほど風が強くなり、暴風雨を伴うことに。
下記の説明がわかりやすいです。『海上でエネルギー補給』というところが「暖かい海面からの熱エネルギーを利用」のしくみと合致します。
温帯低気圧
- 発生場所: 中緯度地域(北緯30度~60度)で発生。海上だけでなく陸地でも発生。
- エネルギー源: 暖かい空気と冷たい空気の温度差によるエネルギーを利用。
- 構造: 暖かい空気と冷たい空気が混ざり合うことで形成され、前線(温暖前線や寒冷前線)を伴うことが多いです。
- 特徴: 広範囲にわたって風が吹き、台風よりも広い範囲で強風や雨をもたらすことがある。
台風が温帯低気圧に変わる理由
台風が北上して冷たい空気と混ざり合うと、暖かい空気だけで構成されていた台風の構造が変化し、温帯低気圧になります。この過程で、台風の中心に冷たい空気が入り込み、前線が形成されます。
台風10号も熱帯低気圧に変化しましたが、9月2日以降はさらに温帯低気圧に変わる、という予報が出ています。
台風10号の今後の変化と被害の状況
台風10号は2024年8月29日に九州に上陸した後、9月に入り数えても上陸から想定外に進路の移動が遅くSNSでも「台風いまどこ」「台風いつまで」など連日トレンドに上がる程でしたが、ついに9月1日正午に東海道沖で熱帯低気圧に変わりました。その後、2日にかけて温帯低気圧に変化しました。
九州に上陸してから四国にぬけるまで時間がかかり「ノロノロ台風」と言われた台風10号。被害も出ました。
- 静岡県…床上浸水や床下浸水が確認され、特に浜松市では住宅1棟が一部損壊。また、熱海市では道路の法面が崩落し、火葬場に土砂が流入する被害が発生。
- 大分県…線状降水帯が発生し、記録的な雨量が観測されました。由布市湯布院で635.5ミリ、佐伯市佐伯で614.5ミリの降雨量が記録され、住宅や道路に大きな被害が出る。
- 鳥取県…土砂崩れや突風による被害が報告されており、県道の一部が通行止めに。
被害の詳細は地域によって異なりますが、全体的に多くの住宅やインフラが影響を受けています。復旧作業が進められている状況です。
台風11号・12号の到来前に復旧が見込まれると良いですが。
まとめ
上記のことから日本列島に上陸した台風が風速が衰え熱帯低気圧になり、その後、陸地でも発生する温帯低気圧に変化していくことがわかりました。温帯低気圧の特徴の一つとして、広範囲に強風や雨を降らす、ということも東海や関東甲信越地方に長期で降雨が続いていることに繋がります。
すでにフィリピン沖で台風11号・12号になりえる熱帯低気圧が発生しているので今後も目が離せません!
9月に入って新学期も始まりました。無事に温帯低気圧も収まり、晴れやかな空の元、子供たちも安全に元気に登校する姿が続いてほしいものです。