2024年の夏の甲子園は8月7日(水)から17日間の日程で始まりましたが、1日目の初戦、さっそく誤審騒ぎがありました。SNSでも賛否両論になるほど甲子園と誤審の話は毎年こと切れず話題になってしまいます。
甲子園は誤審が多すぎると言われながら、なかなかなくならない理由や誤審であった場合に審判の謝罪はありえるのか調査します。
甲子園の誤審が多すぎ?
甲子園の誤審が多すぎる、といわれるのには毎年高校球児による熱戦が繰り広げられる中で、誤審の話題が記憶に残って積み重なっていることにも挙げられます。
また、審判員による誤審が勝ち上がっていくはずの勝敗に大きく影響し、疑問の残る判定で甲子園を去っていく球児をこれ以上見たくないという心情も大きくかかわっています。
2024年も注目の中、開催初日8月7日の試合で誤審?が話題になりました。
2024年夏の甲子園 さっそく誤審の話題
1回戦「智弁学園(奈良)」×「岐阜城北」ですね。どんな誤審騒ぎだったのでしょう。
おおよそ誰の目から見ても明らかにな併殺にみえた、ところに「セーフ」の判断が入り、現場スタンドの応援団や観客から疑問の声が湧きあがった、ということです。
実際にその場で応援しながら見ている観客も、媒体を通して視聴していた人も納得のいかない判断がなされた場合に現場だけでなく、その後もSNSなどでも疑問の声が溢れます。2024年、夏の甲子園始まったばかり1日目のこの試合もこれに該当します。
これ以上、2024年夏の甲子園で誤審の話題は出来れば出てほしくないですね。2023年のものも振り返ってみます。
2023年 春の選抜甲子園 誤審?で話題になった試合
日時 | 対戦チーム | 誤審内容 |
---|---|---|
2023年3月31日 | 広陵 vs山梨学院 | ストライク判定に対する疑問 |
広陵 vs山梨学院(2023年3月31日)
内容: 大会12日目の第2試合、準決勝。「1-1」と両チーム同点で迎えた8回裏2死一、二塁場面。四球を確信した打者(広陵)は、見送った瞬間に一塁へ歩こうとしたところ、球審はこの球をストライクと判定。
打者(広陵)の選手に見逃し三振をコール。
物議を醸す判定でチャンスを逃した広陵は、直後の9回表に一挙5点を奪われ準決勝敗退という結果。山梨学院が6-1で勝利。
甲子園で誤審がなくならない理由6選
①視界の問題
審判の位置や動きによって視界が制限されることがあります。特に瞬時の判断が求められる場面では、視界の制限が誤審の原因となりやすいのです。
②経験の問題
甲子園の審判は基本的に善意によるボランティアとして参加することが多く、人によっては経験が浅い審判、と感じる場合も。経験不足が瞬時の判断に影響することがあります。また道具は自費で準備、報酬は交通費程度、という話があります。アマチュアの試合に対しての審判への待遇にも改善の余地がありそうです。
③プレッシャーの問題
甲子園という大舞台での審判業務にはプロ野球とはまた異質の大きなプレッシャーがかかります。球児の今後の人生を左右しかねない、という重圧と多くの観客と注目が集まる中での判定は精神的な負担が大きく、プレッシャーが誤審の一因となることも可能性としてあげられます。
④制度の問題
現在の制度では、監督に抗議権がないため、誤審が発生しても即座に訂正することが難しいです。主将や伝令から審判に疑義を伝えることは認められています。
⑤技術の未導入による問題
昨今のスポーツ界では当たり前の光景になってきたビデオ判定などの導入が高校野球ではまだ取り入れられていないという現実があります。
これまで甲子園での疑惑の判定は、幾度となく問題になってきた。しかし高野連は、賛否は半々としながらも、地方球場にはカメラ設備がないことなどを挙げて「同一ルールの上で高校野球をやりたい」という理由から、導入は困難としている。
引用元:asageiplus
2023年、プロ野球においてはセ・パ・両リーグ合わせて548回のリクエスト。成功131回、成功率は23.9%とのこと。甲子園にビデオ判定が導入されれば誤審の話題性はまた変化しそうです。
⑥人間の限界による問題
技術とは異なり、審判も人間。どんなに経験を積んだエキスパートだとしてもミスは避けられません。瞬時の判断が求められる場面では、どうしても誤審が発生する可能性はあります。
甲子園の誤審多すぎ?その場合に審判の謝罪はあるのか
甲子園で誤審では?と話題になる試合は毎年存在します。結局、誤審の話題は話題のままで終わってしまっていることの方が多い中、実際に審判の謝罪があった試合があります。
2022年 春の選抜甲子園 誤審?で話題になった試合
日時 | 対戦チーム | 誤審内容 |
---|---|---|
2022年3月20日 | 広陵 vs山梨学院 | ファウル判定に対する疑問 |
広陵vs敦賀気比(2022年3月20日)
大会2日目の第1試合、4回裏、無死一塁の場面で広陵の攻撃中にバントの打球がフェアゾーンに転がったにもかかわらず二塁塁審がファウルと判定。
この判定により、一塁走者が挟まれて、アウト宣告。広陵のベンチから抗議(主将や伝令からの疑義)。
審判団が協議開始、グラウンド上でマイクにて説明、誤審を認めて謝罪。1アウト2塁から試合再開。
試合結果は広陵が敦賀気比に9-0で勝利。
フェアゾーンとは、野球のフィールドでボールが有効とされるエリアのことです。具体的には、ホームベースから一塁線と三塁線の間のエリアで、外野フェンスまでの範囲になります。
この時の出来事はレアシーンとして語り継がれるもののひとつです。どんな大場面でも「間違いは大人であっても認めて正す」姿勢に胸をうたれた人もいたようです。
試合中、マイクで経緯を説明し謝罪した球審の方は関西大学野球部出身と話題に。前代未聞の潔い謝罪に「誇りに思う」と感じたOBの声もSNSにありました。
甲子園で誤審を防ぐためには?
今後、甲子園で誤審を防ぐための具体案として、いくつかの提案や議論がなされています。
- ビデオ判定の導入: これにより、現場の審判だけでは見逃される可能性のある細かいプレーも、映像を使って正確に判定できるように。
- 審判員の訓練強化: 判断が難しい場面における適切な対応ができるよう、シミュレーションや練習試合での経験を積むことが重要視されはじめています。
- 審判員の匿名化: プレッシャーやバイアスを軽減するために、審判員の名前を公開せずに判定を行うことで、公平性を高める試みも検討されています。
- 判定基準の明瞭化: ルールの解釈や適用に一貫性を持たせるため、判定基準を明確にし、関係者に共有することが注力されるように。これで誤審とされるケースを減少させることが期待されています。
まとめ
甲子園の誤審が多すぎる、という意見には実際の判定とともに球児の将来を心配する気持ちや過去の誤審の記憶の積み重ねによることもあります。ファンは球児たちの努力や夢を見守っているので、誤審がその努力を無駄にする可能性があると感じる場面が存在するのは自然なことです。
これが善意による審判の参加に対しての待遇やリクエストの導入など技術面の改善を求める流れになるのであれば、この声は厳しいながらも必要なもののひとつと言えます。甲子園で誤審がなくならない理由は下記を挙げました。
- 視界の問題
- 経験の問題
- プレッシャーの問題
- 制度の問題
- 技術の未導入の問題
- 人間の限界問題