「亀田製菓の商品の原材料一部に、中国産ってホント?」「なんか炎上してるけど、何が問題なの?」と疑問に思う人も増えてきました。亀田製菓の商品が再び注目を集めています。2024年12月にはインド人CEOの発言で炎上気味だった同社が、今回は一部商品の原材料に中国産が含まれていることや、中国工場で生産されている製品があることからSNS上で議論を呼び、不買に関わる声も広がっています。それに加えて同じタイミングで台湾での乳幼児菓子の残留重金属の話題も出てきました。本記事では、中国製と関連する商品リストや炎上の背景、について詳しく解説します。
亀田製菓はいつから中国産も原材料に?
#亀田製菓 はいつから中国産を輸入するようになったんだ? pic.twitter.com/hfb7m4jFR2
— 鍾馗 (@superponky) December 16, 2024
亀田製菓は2003年には中国に工場を設立済み
亀田製菓は、品質とコストのバランスを取るために中国を含む海外での生産を一部展開しています。具体的には、中国に設立された「青島亀田食品有限公司」において厳しい品質管理のもと生産されています。この工場は、同社のグローバル戦略の一環として設立され、現地向けだけでなく日本国内向けの商品も一部生産しています。
- 2003現地法人「青島亀田食品有限公司」を設立。
中国の山東省青島経済技術開発区
- 2003.12米菓の生産を開始
亀田製菓 海外事業
— ひめスミレ (@ShxW4LJoEkz1oqj) January 11, 2025
中国 青島亀田食品有限公司
中国市場への第一歩となった「青島亀田食品有限公司」
2003年に日本向けの米菓の製造拠点として設立
現在は中国国内事業の拡大に向け、中国消費者向けに商品の開発、生産、販売を実施しています
😡💢🔥https://t.co/55j1QT13Vm https://t.co/UKUp9NcGLX pic.twitter.com/eEwGeTdoyw
アジアでは、中国・青島に製造拠点として2003年「青島亀田食品有限公司」を設立、現在は中国市場向け販売を強化しています。
引用元:亀田製菓HP 海外事業欄
本来は亀田製菓の中国生産の主な目的は、中国市場向けの拡大が主軸となっています。中国市場は非常に大きく、現地での生産を通じて迅速に製品を提供することができます。また、現地での生産はコスト削減にもつながり、競争力を高めることができます。
もちろん、日本への輸入も行われていますが、主な目的は中国市場でのシェア拡大と現地消費者への対応であることがわかります。
中国生産がスタートした背景や理由
亀田製菓が中国での生産を開始した背景には、いくつかの理由があります。
これらの要因が複合的に作用し、亀田製菓は中国生産という戦略を選択したと考えられます。
しかし、中国生産に伴う品質管理や安全性確保は重要な課題であり、企業として適切な対応が求められています。また、消費者の理解を得るための情報公開も重要です。
海外事業展開は中国だけではありません。最初に展開したのはアメリカでした。
- 1989年:アメリカ・イリノイ州の「SESMARK FOODS, INC.(現TH FOODS, INC.)」に出資
- 2003年:「青島亀田食品有限公司」を設立
- 2008年:アメリカ・カリフォルニア州に「KAMEDA USA, INC.」を設立
- 2012年:プレミアム・ライスクラッカー大手「Mary’s Gone Crackers, Inc.」を子会社化
- 2013年:ベトナムで「THIEN HA KAMEDA, JSC.」を設立
- 2020年:タイの「Singha Kameda (Thailand) Co., Ltd.」を子会社化
亀田製菓 中国産?中国に関わる対象商品はどれ?一覧
明確に「青島亀田食品有限公司」が表示されているのは下記での商品です。
亀田製菓の製品は、おおよそが国内で製造・国産米を使用されていますが一部、中国で生産されているもの、また中国米や日本米でない材料を使用している商品があります。消費者の皆様にとって、商品の原産地は重要な情報です。ここでは、亀田製菓の公式ホームページや商品情報から整理した、中国産原材料や中国生産、中国の工場に関連する商品のリストを亀田製菓商品一覧からピックアップしてみました。
商品一覧から 『中国 工場』で検索した結果はこちら。
商品名 | 原材料の産地・情報 | 製造者/販売者/加工所情報 |
---|---|---|
亀田の柿の種 たっぷりピーナッツ 16袋詰 532g | ピーナッツ(中国産) | 製造者:亀田製菓株式会社 新潟県新潟市江南区亀田工業団地3-1-1 |
梅のり巻 25g | もち米(中国産、タイ産) | 販売者:亀田製菓株式会社、新潟市江南区亀田工業団地3-1-1 加工所:アジカル株式会社 新潟市江南区元町2-3-56 |
梅の香巻 47g | もち米(中国産) | 輸入者:亀田製菓株式会社、新潟市江南区亀田工業団地3-1-1(中国・青島亀田食品有限公司で生産) |
海苔ピーパック 85g | もち米(中国産、タイ産) | 販売者:亀田製菓株式会社、新潟市江南区亀田工業団地3-1-1 加工所:株式会社茨城食品ガーリック工業 小山工場 栃木県小山市西黒田290 |
亀田の柿の種 ピーナッツだけ 6袋詰 135g | 原産国名:中国 | 販売者:亀田製菓株式会社 |
午後のつまみ種 95g | うるち米(中国産、米国産、国産)、もち米(タイ産、中国産) | 製造者:亀田製菓株式会社、新潟市江南区亀田工業団地3-1-1 |
冬のつまみ種 95g | 植物油脂(国内製造、中国製造) | 製造者:亀田製菓株式会社、新潟市江南区亀田工業団地3-1-1 |
そのほか、手土産ギフト用のアソート『亀田の彩(いろどり)めぐり七種』ももち米やうるち米に国内産の他、米国産・タイ産・中国産と表示がありました。
そもそも販売者と製造者の違いは??
これらの商品は、パッケージや公式情報に記載されている情報をもとにまとめられたものです。
柿の種もシリーズがあるけど上記の商品以外は他のものは国産表示があります。気になる人は原材料をチェックすると良いです。米粉(うるち米(国産))と記載があります。
商品案内に必ず下記の但し書きが記載されているので面倒ですが気になる人は実際手に取った時にパッケージで「原材料」を確認がおススメです。
原材料表示につきまして、商品の規格変更等により“ホームページに掲載の内容“と”商品パッケージに記載の内容”が異なる場合がございます。お召し上がり、ご購入の際は必ず“商品パッケージに記載の原材料表示”をご確認ください。
引用元:亀田製菓HP 商品情報
上記はあくまで一例であり、全ての商品を網羅しているわけではありません。 商品パッケージの表示をご確認いただくか、亀田製菓のお客様相談室へお問い合わせください。
商品の原産地情報は、常に変更される可能性があります。最新の情報は、亀田製菓の公式ウェブサイトまたは商品パッケージでご確認ください。
亀田製菓 再び炎上!不買に至る理由
SNSでの炎上中の背景には、以下の要因が挙げられます
①原材料や生産地の不透明性への不信感
柿の種、昔みたいに美味しく感じないなーって思ってたら、中国産に変わってたのか。知らなかった💦それでもつい馴染みで買っちゃってたけど、そっかぁ。馴染みの亀田製菓は、いつの間にか無くなってたのか…
— こうりのあきを (@akiwo364) January 14, 2025
消費者の多くは、日本製と信じて購入していた商品の一部が中国産原材料を使用していることに驚き、不満を抱いてしまっている。
②インド人CEOの発言
亀田製菓のインド人CEO、ジュネジャ・レカ氏が「日本はさらなる移民受け入れを」と発言したことが大きな波紋を呼びました。この発言は、日本の文化や価値観を軽視していると受け取られ、SNS上で大炎上しました。その騒ぎが落ち着いたと思ったところで2025年の年明けも中国産の件で再炎です。
また、この発言が原因で亀田製菓の株価が下落し、不買に関わる発言にも広がりが見える現状となっています。
亀田製菓 の株が暴落
— ぴろん🇯🇵 (@pirooooon3) December 17, 2024
自業自得です。 pic.twitter.com/92amGWOlGF
この時期、ちょうどインド人CEOの発言が話題でした。
③台湾での残留重金属問題
【残留重金属】台湾衛生福利部食品藥物管理署は1月14日、亀田製菓の乳児向け米菓ハイハインから残留基準値(0.040mg/kg)を超えるカドミウム0.046mg/kgを検出し廃棄・積戻し処分。
— 有機農業ニュースクリップ (@OrganicNewsClip) January 14, 2025
台湾食品藥物管理署|日本出口「嬰兒米餅(Kameda's Rice Cracker(Hihine))」 https://t.co/TA6vM9sC3q https://t.co/fHxvBifrcj pic.twitter.com/z0NXSdjbaS
2025年1月14日、台湾衛生福利部食品藥物管理署は、亀田製菓の乳児向け米菓「ハイハイン」から残留基準値(台湾:0.040mg/kg)を超えるカドミウム0.046mg/kgを検出し、廃棄・積戻し処分を行いました。この問題は、亀田製菓に対する不信感をいっけん強める結果になっています。ところが…
しかし!!じつは日本や国際基準に比べ、台湾の基準には違いがあるのです!
カドミウム基準値
地域 | 基準値 (mg/kg) | 対象食品 |
---|---|---|
台湾 | 0.04 | 乳幼児用食品 |
日本 | 0.4 | 米 |
国際基準 | 0.4 | 一般食品 |
台湾は基準値が小数点以下において一桁違う・・・
- 台湾の基準:
- 特に乳幼児用食品に対して非常に厳しい基準を設けています。
- 日本の基準:
- 国際基準に準じており、0.4mg/kgと設定されています。
- 国際基準:
- コーデックス委員会が定める基準値も0.4mg/kgであり、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)のリスク評価に基づいて設定されています。
台湾の基準が特に厳しいのは、乳幼児の健康を特に重視しているためです。一方、日本と国際基準は、成人を含む一般的な食品安全基準として設定されています。
そもそも重金属ということですが本来、コメ自体にカドミウムが含まれてるってこと?自然界に存在するの?
カドミウムは自然界に存在する重金属であり、土壌や水中に含まれています。そのため、農作物であるコメも土壌や水からカドミウムを吸収することがあります。特に、工業活動や鉱業によって土壌が汚染されている地域では、カドミウムの含有量が高くなることがあります。
日本の基準値
日本の食品衛生法では、コメに含まれるカドミウムの基準値を0.4mg/kgと定めています。この基準値は、国際基準と同じであり、安全性を確保するためのものです。
カドミウムの含有量を管理することで、消費者の健康を守るための取り組みが行われています。
台湾の基準値において廃棄・積戻し処分となったハイハイン。一方、日本や国際基準では基準値内に収まっており、特に回収などには現状、値しないということになります。
日本においては、ハイハインは長期保存が可能(5年間!)、米菓、子供や高齢者も食べやすい、などの理由で防災食・備蓄品として注目されている商品。国によって全然扱いが異なりますね。
かしたべ元気に営業中です☀️
— OKASHI tabetai-おかしたべたい-公式 (@kashi_tabe) February 7, 2022
赤ちゃんの非常時おやつ
👶災害食用ハイハイン👶
お取り扱いしております!
長期保存が可能なので
災害時や緊急事態の時に
赤ちゃんが食べられるおやつも
ご家庭の備蓄セットと一緒に
置いてみてはいかがですか👀?
今日も18時までご来店を
お待ちしております🍀 pic.twitter.com/rvql5NNMpT
ハイハインは乳児用規格適用食品、亀田製菓HPの商品案内には原材料:うるち米(国産)と表記があります。
うるち米は「普通のお米」と思って良いです。うるち米ともち米の違いは主にデンプンの構成の違い。これが炊き上がりの食感を変えているよ。
赤ちゃんにおやつとして与えている親にとってこの話題は心配のタネ。スペシャルサイトもあるからチェックしてみよう。
亀田製菓【公式】ハイハインスペシャルサイト
④日本の伝統が薄れているとの懸念
亀田製菓が不買運動で苦戦していて越後製菓が逆に売れすぎて販売休止になってるらしい。
— ヴィトゲンシュタイン (@sekaiisanmiru) January 13, 2025
日本人すごいな😳
亀田製菓が海外展開を進める中で、日本の伝統的な米菓メーカーとしてのイメージが薄れていると感じる消費者が増えています。このことが不買の発言や不満の一因となっています。その反動が同じ米菓を扱う一部のメーカー、特に同じ県内に所在地がある『越後製菓』の人気の高まりなどが如実に反映し、『越後製菓』が一時休止を発表するなど、米菓業界の混乱を招いています。
越後製菓は販売休止https://t.co/yybylnhmbi pic.twitter.com/P5XAhwH090
— スーパーマン|6連勤🚰水道屋@酒飲み🍶 (@358superman) January 13, 2025
亀田製菓と越後製菓の概要を対比してみました。
項目 | 亀田製菓 | 越後製菓 |
---|---|---|
会社名 | 亀田製菓株式会社 | 越後製菓株式会社 |
本社所在地 | 新潟県新潟市江南区亀田工業団地3丁目1-1 | 新潟県長岡市呉服町1丁目4番地5 |
創業 | 1946年9月 | 1947年 |
設立 | 1957年8月 | 1957年3月 |
資本金 | 19億4,613万円 | 9,000万円 |
売上高 | 955億3,400万円(2024年3月期) | 197億3,000万円(2023年3月期) |
従業員数 | 4,040名(連結) | 874名 |
事業内容 | 菓子類および食料品ならびにそれら原材料の製造、販売 | 包装餅・鏡餅・米菓・米飯・麺類・惣菜等の製造販売 |
代表者 | ジュネジャ・レカ・ラジュ(代表取締役 会長 CEO) | 吉原忠彦(代表取締役社長) |
主要製品 | 亀田の柿の種、ハイハイン、ハッピーターンなど | 越後のごはん、ふんわり名人きなこ餅、楽々お飾りなど |
SNSの声は?
TwitterやFacebookなどのSNS上では、様々な意見が飛び交っています。肯定的な意見としては
といった声があります。一方で、否定的な意見としては
といった声も少なくありません。
意見の種類 | 内容 |
---|---|
肯定的 | 中国製でも美味しい。価格が手頃で助かる。グローバル化は当然の流れ。 |
否定的 | 中国製は品質が心配。食品安全上の不安がある。国産品を応援したい。企業の対応に誠意が感じられない。 |
中立的 | どちらとも言えない。もっと情報が欲しい。企業の説明責任が重要。 |
これらの意見は、消費者の年齢層や価値観によって大きく異なっているようです。若い世代は価格を重視する傾向があり、中国製であっても品質に問題がなければ受け入れるという意見が多い一方、高齢者層は国産品へのこだわりが強く、中国製に対して抵抗感を示す意見が多い傾向が見られます。
まとめ
亀田製菓は、2003年12月に中国の山東省青島経済技術開発区に現地法人「青島亀田食品有限公司」を設立し、米菓の生産を開始しました。中国での生産は、コスト削減や市場拡大、グローバル戦略の一環として行われています。
しかし、最近では一部商品の原材料に中国産が含まれていることや、中国工場で生産されている製品があることがSNS上で議論を呼び、不買運動を呼びかける声も広がっています。さらに、インド人CEOのジュネジャ・レカ氏の発言や国際基準は満たしているとはいえ台湾での残留重金属報道も重なり、亀田製菓に対する不信感が必要以上に高まっています。
消費者の信頼を回復するためには、透明性の向上や品質管理の徹底、コミュニケーションの強化が求められています。亀田製菓は、これらの課題に真摯に取り組むことで、再び消費者の信頼を取り戻すことが期待されます。