お笑い芸人の松本人志さんと週刊文春の間で行われていた裁判が、いよいよ終結の見込みで話題騒然となっています。松本さんは損害賠償と訂正記事の掲載を求めた訴訟をおこして文春を訴えていましたが、11月8日、裁判取り下げ、さらに謝罪をする意向を示す発表をしました。その背景にはどのような事情があるのでしょうか?また、取り下げと和解の違いは?この記事ではその両方ついて考察します。
裁判取り下げ…和解、とはちょっとニュアンスが違いますね。
松本人志さん側から、ということはどういう経緯だったんでしょう?
松本人志と文春の裁判
この裁判の騒動の発端となった文春の掲載は、2023年12月27日号に発行された号です。この記事では、松本人志さんが女性に対して性的な行為を強要したとされる証言が報じられました。この報道がきっかけで、松本さんは損害賠償と訂正記事の掲載を求めた訴訟をおこして発行元の文芸春秋などに5億5千万円の賠償などを求めていました。
フタを開けてみたら、結局松本人志さん側から取り下げ、それに謝罪コメントをつける、という展開になったんですね。
松本人志と文春の裁判取り下げで謝罪!
同意なしに性的行為をされたとする女性の証言を報じた「週刊文春」の記事を巡り、松本さん側が訴えを取り下げる方向、なおかつ謝罪コメントを出すことで文春側と合意したことがわかったったのです。
11月8日午後5時過ぎに発表された詳細コメントはこちら
記
これまで、松本人志は裁判を進めるなかで、関係者と協議等を続けてまいりましたが、松本が訴えている内容等に関し、強制性の有無を直接に示す物的証拠はないこと等を含めて確認いたしました。そのうえで、裁判を進めることで、これ以上、多くの方々にご負担・ご迷惑をお掛けすることは避けたいと考え、訴えを取り下げることといたしました。
松本において、かつて女性らが参加する会合に出席しておりました。参加された女性の中で不快な思いをされたり、心を痛められた方々がいらっしゃったのであれば、率直にお詫び申し上げます。
尚、相手方との間において、金銭の授受は一切ありませんし、それ以外の方々との間においても同様です。
この間の一連の出来事により、長年支えていただいたファンの皆様、関係者の皆様、多くの後輩芸人の皆さんに多大なご迷惑、ご心配をおかけしたことをお詫びいたします。
どうか今後とも応援して下さいますよう、よろしくお願いいたします。
引用元:吉本興業HP お知らせ より抜粋
全面的に争うということで、松本人志さんは芸能活動からいったん全面的に身を引いて、裁判に集中するということでしたが2023年12月に発行された号の記事が発端となり、2024年11月8日に解決する流れになりました。実に、裁判の期間は約11か月です。長い道のりになりました。
当初は事実無根、と強い口調でした。
裁判の取り下げと和解 重要な違い
そもそも裁判の取り下げ、と和解はどう違うの?
裁判の取り下げ
- 定義: 裁判の取り下げは、原告が訴訟を中止することを意味します。これは、訴訟を提起した側が訴えを取り下げることで、裁判所に対して訴訟を続行しない旨を伝える手続きです。取り下げにあたり、相手方の同意は必要。
- 結果: 訴訟が取り下げられると、裁判は終了し、裁判所は判決を下しません。取り下げ後、同じ内容で再度訴訟を提起することも可能です。
和解
- 定義: 和解は、当事者間で合意に達し、裁判を終了させることを意味します。和解は、裁判所の外で行われることもあれば、裁判所の仲介を通じて行われることもあります。
- 結果: 和解が成立すると、当事者間で合意された条件に基づいて問題が解決されます。和解の内容は法的に拘束力があり、再度同じ内容で訴訟を提起することはできません。
主な違い
- 手続きの終了方法: 取り下げは中止であり、和解は双方の合意による解決です。しかし、取り下げにおいても相手方の同意は必要です。
- 法的拘束力: 取り下げには法的拘束力がなく、再度訴訟を提起することができますが、和解には法的拘束力があり、再度訴訟を提起することはできません。
ということは、松本人志さんサイドからの中止、というベースがあるということですね。水面下で「文春」側と同意を取り付けるための駆け引きはあった可能性があります。
松本人志と文春の裁判取り下げ謝罪!仕組みから事情を徹底考察!
裁判の取り下げと和解の違いについて、以下のような事情が考えられます。
- 訴訟費用の削減: 裁判を続けるには多額の費用がかかります。取り下げることで、これ以上の費用を抑えることができます。
→芸能活動を控えていた影響による金銭面の事情? - 時間の節約: 裁判は長期間にわたることが多く、取り下げることで時間を節約し、他の活動に集中できるようになります。
→年末年始は特番が多くお笑い芸人が活動できないのは致命的。 - 精神的負担の軽減: 裁判は当事者にとって精神的な負担が大きいです。取り下げることで、その負担を軽減することができます。
→原告側も被告側も長期に及ぶと想像以上に疲弊しがち - 名誉回復の難しさ: 裁判を続けても、必ずしも名誉が回復されるわけではありません。取り下げることで、これ以上の名誉毀損を避けることができます。
→すでに社会的制裁は受けている - 和解の可能性: 裁判を取り下げることで、和解の道が開かれることがあります。和解によって、双方が納得できる解決策を見つけることができます。
→今後の歩み寄りを期待できる - 社会的影響の考慮: 裁判が続くことで、社会的な影響が大きくなることがあります。取り下げることで、その影響を最小限に抑えることができます。
→長期になることで世間的にも人気に陰りが出たり、心象がより悪くなる可能性 - 証拠不足: 裁判を続けるためには十分な証拠が必要です。証拠が不足している場合、取り下げることが賢明な選択となることがあります。
→訴えた当初に想像していたより原告側の証拠が不足して見通しが困難になった」
これらの事情を考慮、さらに「名誉棄損」より被害を受けたと訴えている複数の女性に「謝罪」を優先させる、という判断など、複数の事情から松本人志さんが裁判を取り下げる決断をした可能性があります。
真実が伝わって、一日も早くお笑いをしたい、と心情を吐露していた松本さん。
被害にあったと訴える女性側に対して誠意ある謝罪をみせることで、文春側に「取り下げ」の同意を取り付けたのでは?という見解が多いです。
まとめ
松本人志さんと週刊文春の裁判は、2023年12月に発行された号の記事が発端となり、約11か月の期間を経て解決しました。松本さんは損害賠償と訂正記事の掲載を求めて訴訟を起こしましたが、最終的に訴訟を取り下げることを決断しました。訴訟の取り下げには、「名誉棄損」より訴えている女性の気持ちにまず寄り添う、という判断なのか、訴訟費用の削減、時間の節約、精神的負担の軽減、名誉回復の難しさ、和解の可能性、社会的影響の考慮、証拠不足など、さまざまな事情が考えられます。これらの要因を総合的に判断し、松本さんは訴訟を取り下げる決断をしたと考えられますが、真実はどういう事情なのか、今後の松本さんおよび「文春」サイド両方の声明やコメントに注目が集まります。