大阪府内でも特に人気の高い北摂(ほくせつ)エリア。「北摂は大阪じゃない!」とよく言われますがそれはなぜ?このエリアならではの特徴や魅力にその根拠がありそうです。
実際にはどうなのでしょうか?
この記事では、自然豊かな環境、充実した教育施設、そして便利な交通アクセスなど、北摂がなぜこんなにも愛されるのかを探って紹介します。その魅力を知れば、きっとあなたも住みたくなるはずです。
北摂は大阪じゃない!と言われるのは?
北摂は大阪じゃない!という声は大阪に住んでいる人自体から聞こえてくる言葉です。この言葉は
- 北摂に住んでいない大阪府民
- 自身もそこに住んでいる北摂市民
実は、どちらからも発せられる言葉です。
そうそう、大阪府に住んでいる者同士なのになんでかな?
もう断定する人もいるくらい
…と言われるにはやはり理由がいくつかあるようです。
これらの要因が合わさって北摂は大阪じゃない!って言われてしまうみたい。いくつか具体的にあげてみます。
①居住者 地元市民と転勤族が混在している
コテコテ、という表現が似合いそうな根っからの親しみやすいボケとつっこみを凌駕している大阪人があまり目立たないのが北摂エリア、でもあります。
大阪なのに標準語が聞こえてきたりするっていう地域
北摂のその地に代々住んでいる地元民と、居をそこに構えない一時的な、もしくは大人になってから北摂エリアを選んで住み始めた元々大阪じゃない市民とが混在し、普段は後者の方が表立って見えてしまうから。
いろんなところ人から集まると、「地元愛」、や「昔から~」という世界が目立たなくなりがち。
その分、新しい人はスッと地域に溶け込みやすくなるという一面も。
「コテコテ」部分を自分の印象にもたれたくない、と思う一部の北摂の人自身が使う場合もある、という。
一緒にしないで、的な??
これは大阪と北摂、に限らず全国のいろんな地域同士で繰り広げられるどっちがいいとこ論争と似ている…、永遠のテーマとも言えます。
②教育と自然が恵まれた住環境
大阪府全域に住みやすい土地はありますが、北摂の地域も「住みやすさランキング」の上位にあがるほど子育てするにはたくさんの『良い環境』に恵まれており、また交通網も発達しているため、家庭をもつ転勤族には安心して住む場所として選ばれやすい傾向があります。
教育に意識が高い環境である理由は、北摂の各市に大学や国立の付属校が点在しているから。特に府外でも認知度のある大阪大学のキャンパスが点在している地域、とも言えます。
「大阪大学」がある場所、っていうのが地域住民にも自負となり、かえってその環境にふさわしい地域でありたい、住民でありたい、という心掛けがありそうです。
- 池田市:大阪教育大付属小・中・高等学校
- 茨木市:立命館大学・大手門学院大学・梅花女子大学
- 吹田市…大阪大学・関西大学・大阪学院大学・金蘭千里大学・大和大学
- 摂津市:大阪人間科学大学・摂南大学(関連施設)
- 高槻市:関西大学・大阪医科薬科大学・平安女学院
- 豊中市:大阪大学や大阪音楽大学
- 箕面市:大阪大学・大阪青山大学
大学が点在するということは、その前の段階の付属校も多い、という環境
有名校があれば必然的に大手の塾なども集まる地域になり、子供や学生が増えますね
転勤族って、また転勤する可能性があるから環境が変わっても響かない子供の学力をつけておきたい、と思う教育に関心がある親も注目する地域です。
子供が集いやすい緑が多い広めの公園も多く、教育環境や自然環境あわせもつ住環境に高級住宅街、富裕層、のようなイメージもつきやすく(実際にそのようなエリアも存在!)落ち着いた雰囲気が
下町や人情を彷彿とさせる『大阪』とは違う、と感じる一因でしょう。
③治安が良い
一般的な傾向を表すデータとして2023年の犯罪発生率を確認します。
地域 | 窃盗事件数 | 暴力事件数 |
---|---|---|
大阪市内 | 15,000件 | 3,500件 |
北部地域 | 1,200件 | 300件 |
南部地域 | 2,500件 | 600件 |
この表は2023年のデータを基にしています。詳細な統計や最新の情報については、大阪府警の公式サイトや大阪府の統計情報ページを参照してください。
治安が良い場所に住みたい気持ちはみな一緒ですね。北摂でも地域によっては例外がある場合も。安全に気を付ける対策はどこにいても同様に!
④地理的位置
アクセスは良い、と人気の北摂。アクセスがいいのには実は理由があるってことですね。
北摂は大阪の中心部から淀川を越えてた北部に位置し、観光地など『大阪らしい』場所からはやや遠い場所となります。
観光名所と言われる場所の多くが大阪市中心から南寄りに位置しており、上記リストのうち、北摂に該当する名所は10番の万博記念公園・太陽の塔、のみです。
『大阪の顔』である観光名所からはあまり縁がないのも「大阪じゃない」と言われる一つになるのでは?
外国人観光客に人気の梅田スカイビル空中庭園展望台はちょっと北寄りの淀川付近になりますけどね…。
「北摂」 はどこからどこまで?
まず『北摂』と言われる場所を確認します。
そもそも北摂エリア自体がよく把握できてない…どの自治体を指すの?
何かルールで決まっているわけではありません。俗に下記の7つの市一帯を『北摂』と認識している人が多いです。タクシー業界や不動産業界でもこの辺りを総称してそう呼んでいます。
①池田市
②茨木市
③吹田市
④摂津市
⑤高槻市
⑥豊中市
⑦箕面市
『北摂』は飛鳥時代から明治初期まで、日本の地理的区分の基本単位だった令制国(りょうせいこく)で大阪北部から兵庫県西部にかかる『摂津国』という呼び名の名残です。現在の行政区分になっても大阪北部の方を【摂津の北】から『北摂』と指すようになっていきました。
淀川を境に、と捉えるとわかりやすいですね。
北摂の人気エリアはどこ?
この『北摂』と言われる7つの市はそれぞれ魅力があり、人気エリアはそれぞれ甲乙つけ難い人気ではあります。その中で下記の理由から注目されているのは直近で次の3市、として紹介します。
自治体 | エリア | 人気の理由 |
---|---|---|
吹田市 | 江坂・千里丘周辺 | 地下鉄御堂筋線沿線でアクセスが良く、オフィス街としての人気も併せ持つ。最近は商業施設の充実や医療施設の特化地域も。 |
豊中市 | 千里中央・緑ヶ丘周辺 | 交通の便が良く、商業施設が充実しているため、生活の利便性が高い。教育環境も人気が高い。 |
箕面市 | 箕面萱野駅・箕面駅周辺 | 北大阪急行線の延伸により、都心部へのアクセスが向上し、自然豊かな環境と新しい商業施設が魅力。阪急箕面駅周辺は地元の高級住宅街界隈。 |
吹田市
吹田市は、大阪府北部に位置し、文化やエンターテインメントを楽しめるスポットが豊富です。その他にも教育や医療、とどれも優れた特性をもつ自治体です。
エンターテインメントのシンボルが2つもあるよ!
①万博記念公園の「太陽の塔」
②ららぽーと万博公園の観覧車
ららぽーと万博公園にある観覧車「OSAKA WHEEL(オオサカホイール)」は、日本一の高さを誇る観覧車!高さは123メートルで、全面シースルーのゴンドラからは大阪の景色を一望出来るヨ。
サッカーガンバ大阪のホーム、パナソニックスタジアム吹田がららぽーとの対面にあります。2016年に設立。主にガンバ大阪のファンやサポーターの寄付金を中心に建設された熱い気持ちのこもったスタジアムで市民にとっても大事な競技場です。
交通アクセスも良好で、JR京都線や阪急電鉄、地下鉄御堂筋線が通り、大阪市内や京都市内への移動が便利です。さらに、名神高速道路や近畿自動車道も利用しやすく、車での移動もスムーズです。
閑静で緑の多い住宅街と江坂エリアのようにオフィス街と住宅街が調和している場所もあり、多彩な顔を持つ吹田市。
教育環境も充実しており、大阪大学や関西大学がキャンパスを構えています。子育て支援も整っており、多くの保育園や小学校があり、子育て世代にも安心です。
吹田市も子育て支援には積極的!
カンタンに挙げるだけでも下記の通り。充実しています。(2024.10時点)
吹田市公式ウェブサイト:子育て・出産応援事業
- 出産・子育て応援ギフト:妊娠時や出産時にAmazon育児支援券やはぐくみクーポンを支給。
- 伴走型相談支援:妊娠届出時や出産後に助産師や保育士との面談を実施し、育児の相談や情報提供を行う。
- 子育て応援サイト「すくすく」:子育てに関する情報や施設の検索ができる便利なウェブサイト。
- のびのび子育てプラザ:保育士による面談や育児相談ができる施設。
- 多様な保育施設:保育所、幼稚園、認定こども園など、多様な保育施設が充実。
自然環境も豊かで、服部緑地公園や万博記念公園など、四季折々の自然を楽しむことができます。スポーツやレジャーにも適しており、健康的なライフスタイルを送ることができます。
循環器医療センターは岸辺駅に直結して2019年に移転しました。その際に、岸辺駅周辺は「医療クラスター」という医療機関や研究施設、関連企業などが連携しスムーズにサービスを受けられるエリアが出来上がっています。「北大阪健康医療都市(健都)」という一帯になっています。
具合の悪い子供や高齢者をあちこち連れまわさなくて済むね。
また、吹田市には江坂というオフィス街もあり、この地は御堂筋線の始発駅でもあります。新幹線の通る新大阪駅にも乗り返しやすく、単身者も家族連れも住みやすい、オフィスと住宅街が不思議と調和した便利な街です。
そのため、江坂駅を分け目にしてオフィス街と緑や遊具がいっぱいの公園がある住宅街が分かれているのがよくわかります。オシャレなカフェは住宅地側が多い。
豊中市
豊中市は、教育と交通の利便性が高く、住みやすい環境が整っています。合わせて交通機関も便利な自治体です。
大阪伊丹空港や新幹線が停車する「新大阪駅」にもアクセスが良い。出張の多いサラリーマンや転勤族にも人気。
もともと北大阪急行線の始終着点だった千里中央駅周辺は阪急バスで各地点へのアクセスも充実
緑ヶ丘・千里中央・桜塚など文教地区もあり、ここを拠点に不動産会社に住む場所を探してもらう転勤族も多いといいます。豊中市の公立中学校は偏差値も高い学校が多く人気です。どの公立中も特色や良い点がありますが特に人気といわれる学校をいくつかあげます。(※参照:みんなの中学情報サイト )
- 第十一中学校:豊中市の公立中で北野高校への合格者が一番多い。
- 第三中学校:阪急沿線付近。岡町駅には大手塾もあり教育環境に優れている
- 第九中学校:進学実績もよく、利便性のある千里中央に近いため塾など教育環境も整っている
- 第八中学校:千里中央駅に近く文理学科への進学率がよい、との声も。
教育環境がよい、ということは自治体としても子育て支援に手厚いとも言えます。
豊中市公式ウェブサイト 子育て・教育
- 子育て支援センター:市内に18か所あり、親子の遊び場やプレイルームを提供。
- 子育て応援アプリ「とよふぁみ」:子育て情報やイベント情報アプリ。
- 「赤ちゃんの駅」:授乳やおむつ交換ができる施設。
- 児童手当制度:子ども医療費助成や出産・子育て応援金の給付。
- 「小1の壁」の解消:共働き家庭をサポートするための取り組み。
- 教育の質・機会の向上:デジタル技術を活用したきめ細やかな教育サポート。
市内に支援センターが18か所もあるのは比較的多い方です。子供を連れての移動は大変なので近くにあるのは親切です。
今では共働きが当たり前。「小1の壁」の解消、保護者が安心して仕事と子育てを両立できる環境を目指す取り組みは注目されています。
箕面市
箕面市は特に、自然環境の良さと新しい交通インフラの整備が評価されており、今後さらに人気が高まることが予想されます。
箕面市は最近特に注目されています。2024年3月に北大阪急行線が延伸され、2つの新駅が開業。
- 御堂筋線から延びる北大阪急行の新たな始終点となった箕面萱野駅
駅と接続するQ’sモールや子供の憩いの場となる小川で休日は賑わう - 阪急箕面駅周辺に続くのは紅葉やハイキングの名所『箕面の滝』
自然環境の良さと梅田や新大阪などの大阪都心部へのアクセスが大幅に向上し、通勤や通学が非常に便利に。
令和14年度(2032年度)には新駅近くに公立の小中一貫校が設立される予定!教育に興味があるなら注目の一つ。
子育て支援も力を入れているよ。高校卒業まで子供の医療費を助成。子供ってよく病院にかかるから助かっている家庭も多い。学童も19時までだよ。箕面市-子育て
ちなみに大阪ならではの芸人さん、大御所系の方が住むのも意外にココ。阪急沿線界隈は高級住宅街の一角も。たとえば、百楽荘などが有名です。
小野原エリアはインターナショナルスクールが近いこと・大阪大学外国語学部も近いことから外国人も違和感なく溶け込むエリア。カフェも多く、車で訪れることができる場所として若者にもファミリー層にも人気があります。
北摂の魅力
北摂の魅力はたくさんあります。主に住みやすさに関係するものが多いのが特徴
自然豊かな環境
北摂と言われる地域は緑が多く、公園の数も箕面市で500以上、豊中市でも400以上存在します。子供を育てる若い家庭にとって自然豊かな環境は子育てにも重要なポイントです。
吹田市にも万博記念公園、摂津市にも子供が大好きな新幹線が身近に感じられる新幹線公園、など特色のある公園、緑地がありとても魅力的なエリア、といえます。
豊中市にはオシャレなカフェも出来た千里中央公園やグラウンドや遊具も充実の服部緑地
Italiancafe SEN℃(センド):大阪府豊中市新千里東町3-8-8 千里中央公園 内
池田市にはウォンバットなど飼育しているミニ動物園がある五月山公園も
茨木市にはバラの種類等 180品種、約1,750株と豊富な「バラ園」がある若園公園があります
高槻市には遊具やスポーツ施設も充実、市内最大級の広さ萩谷総合公園
散策やピクニックに事欠かない自然を感じるスポットがいっぱい♪
交通の利便性
北摂には関西の玄関口となる交通の主要施設のひとつ、大阪伊丹空港があります。この空港は3市にまたがって設立されており、そのうち『池田市・豊中市』も含まれています。
大阪国際空港(伊丹空港):大阪府豊中市蛍池西町3丁目555
合わせて移動のもう一つの手段、新幹線の停車駅『新大阪』駅へのアクセスも充実。
新大阪駅|JRおでかけネット:大阪府大阪市淀川区西中島5丁目16番1号
また、官公庁の集まる梅田、淀屋橋、本町へも地下鉄御堂筋線、JR、阪急…など路線も網羅されており、大阪の中心地へも通勤通学で通いやすい環境です。
医療施設の充実
- 高度医療施設:大阪医科薬科大学病院など、先進的な医療技術を提供する病院が多数存在。
- 地域医療支援病院:高槻病院、北摂総合病院など、地域医療を支える病院が充実。
- 救急医療体制:初期から三次救急まで対応できる体制が整っており、ドクターカーの運用も実施。
- がん治療の拠点:次世代のがん治療法であるBNCTを行う関西BNCT共同医療センターが設置されている。
高槻市:阪急京都線高槻市駅周辺の医療施設
吹田市:JR岸辺駅周辺の医療クラスター
教育環境の充実
- 高い教育レベル:大阪府内でも屈指の教育レベルを誇り、学力向上に力を入れている。
- 多様な教育施設:大阪大学や関西大学などの有名大学があり、私立学校も多く、選択肢が豊富な環境。
- 自然環境との調和:豊かな自然環境の中で学べる施設が多く、子どもたちが自然と触れ合いながら成長できる、と人気。
- 治安の良さ:閑静な住宅街が多く、治安が良いため、安心して子育てができる。
- 交通の利便性:大阪市内や京都へのアクセスが良好で、通学にも便利。
まとめ
北摂地域は「大阪じゃない」と言われることもありますが、その独自の魅力が多くの人々を引きつけています。豊かな自然環境、優れた教育施設、治安の良さ、そして便利な交通アクセスが揃ったこのエリアは、住む人々にとって理想的な環境を提供しています。だからこそ、北摂は今もなお人気の高い魅力のあるエリアであることが伝わるように紹介してみました。