「今年の漢字」に選ばれた2024年の一文字は「金」。その発表と共に、多くの人々が注目したのはその漢字自体と同時に「読めない!」という声がSNSやニュースで上がるほどの書体です。毎年、力強い筆遣いで書かれる「今年の漢字」。なぜ今年の「金」はこんなにも読みにくいと感じられたのでしょうか?本記事では、その理由を徹底的に考察し、「達筆すぎる字」の背景に隠された意図や工夫を3つのポイントから紐解きます。
【2024】今年の漢字「金」が達筆すぎて読めない!
2024年「#今年の漢字」第1位は「金」でした!
— 【公式】2024年「今年の漢字」 (@Kotoshinokanji) December 12, 2024
応募総数221,971票から12,148票(5.47%)を集めての第1位でした。
多数のご応募ありがとうございました🙇
2位以下の字は追ってお知らせいたします!https://t.co/4wTnUgW5ky#漢字の日#金 pic.twitter.com/AJhZnLxmkq
今年の漢字「金」の発表とその反響
毎年12月12日、清水寺で発表される「今年の漢字」。2024年は、「金」が選ばれました。日本の社会や経済を象徴する漢字として、今年も注目が集まりましたが、SNSやメディアでは、その漢字の書き方が「達筆すぎて読めない!」と別な視点からも話題に。その反響は大きく、一般の人々から「読めない」「難しい」「誰も読めないのでは?」など、驚きの声が相次ぎました。
主に「重」「壬」「垂」「生」にしか見えない!という声が続出中。
今年の漢字、パッと見て金と読めない件
— escort (@escort5858) December 13, 2024
今年の漢字「金」って読めない人
— うる (@rN8JiixZO089428) December 12, 2024
たくさんいて安心した。笑
達筆過ぎるよ、、
今年の漢字は「重」じゃないの?
— リサダヲ (@risa0124dawo) December 12, 2024
あれを金とは読めないわ
この反響の背景には、書体や筆の運びに関する強い印象があります。例年の漢字と比べて、今年の「金」は一段と力強く、力感を感じさせる書き方が施されており、見る者に強い印象を与えました。しかし、その一方で「難解すぎて読めない」と感じる人が続出したようです。
「金」と読めない!3つの理由を徹底考察
「今年の漢字」のイベントは、1995年から漢字検定協会主催で漢字の日「12月12日」制定とともに始まりました。この年は阪神・淡路大震災が発生し、その年の世相を表す漢字として「震」が選ばれています。以来、毎年12月12日に京都の清水寺で発表されるこのイベントは、日本の伝統行事として定着しています。
そして今回「達筆すぎて読めない」という書を揮毫(きごう)したのは、1995年から同じ住職、清水寺の森清範(もり・せいはん)貫主です。同じ人が書いたのにこれだけ「金」の書体が違う…。それなりの理由があるはずです。
今年の漢字【金】
— 青 髭🌂 (@djaohige) December 12, 2024
2021の金「読める!」
2024の金「」 pic.twitter.com/Ye41rb1BYi
①「今年の漢字」「金」が選ばれるのが5回目のため
2024年に「金」が「今年の漢字」に選ばれるのは、実は5回目という驚きの事実です。毎年話題のイベントにも関わらず、頻繁に選ばれている漢字であるため、他の4回と区別がつく「金」の必要があります。
今年の漢字はオリンピックのたびに金だけど
— オオホリ 備忘録 (@U9aaaaaa) December 12, 2024
2016のデザイン好き
今年は嫌い pic.twitter.com/2CCo5RFlxs
5回も選ばれるには世相が大きく反映しています。いずれもオリンピックイヤーに「金」が選ばれる傾向が強いのです。
2024年 | 2021年 | 2016年 | 2012年 | 2000年 |
5回目 | 4回目 | 3回目 | 2回目 | 1回目 |
パリ(フランス) | 東京/(日本) | リオデジャネイロ/(ブラジル) | ロンドン/(イギリス) | シドニー/(オーストラリア) |
5回目の「金」が決定して発表当日の12月12日までどのような書体にするか悩ましかったのは書き手の森清範(もり・せいはん)貫主に間違いありません。むしろ5回も書体を変えて「今年の漢字」を表現される書道の腕前やセンスに感服です。
今年の漢字読めないとか重じゃない?とかって見るけど
— (*´꒳`*) (@non___10141122) December 13, 2024
あれ草書よな
ちゃんと金って書いてあるよ
あれはね、そういう字体だもん。草書は基本読めない
②「今年の漢字」一斉展示の際に判別が必要なため
過去の「今年の漢字」の書は毎年清水寺で披露された後しばらく同寺で奉納され、その後すべて京都 祇園にある漢検 漢字博物館・図書館(漢字ミュージアム)にて展示されます。書き手の森清範(もり・せいはん)貫主にとっても、展示する側の漢字検定協会にとっても、2024年版の「金」は一目で判別できるものでなければなりません。
【企画展開幕】「今年の漢字展」本日10月21日(水)開幕!
— 漢字ミュージアム(漢検漢字博物館・図書館) (@kanji_museum) October 21, 2020
「今年の漢字」発表開始の1995年から2019年までのその年の出来事と、応募数3位までの漢字一字を掲示した年表を作成しました。大書展示の迫力とともに、世相の変遷を振り返ることができます。#今年の漢字展 #漢字ミュージアム pic.twitter.com/ne5n7Nv3x2
「今年の漢字」の大書を入れる額は、選ばれた漢字に合わせたデザインになっています。
引用元:今年の漢字
と公式のウェブサイトでも案内があるように、それぞれ額縁が異なっているので間違えることはありませんが、一斉に展示された時には同じ漢字の「金」でも年号で異なる「金」でなければ価値も違って見えることが必須です。
③2024年版「金」は草書でも読みにくい書体を選んだため
2024年の「今年の漢字」として選ばれた「金」の書体は、草書を用いた非常に達筆なものです。この草書体は、通常の楷書や行書とは異なります。その分、判別が難しくなるという一面もあります。今年の「金」の草書体も例外ではなく、非常に難解で、読み取るのが一苦労だという声が多く上がりました。
今年の漢字、毎年草書体に近い書体で書いていればそりゃ下手だとか言われるわけですわ
— ニッパー (@atsumori_118) December 12, 2024
不特定多数に見せるには向いてない
とはいえわたくしは金という文字を書く機会が今までほぼなかったのでこういうかたちがあるんだということを初めて知ったわ pic.twitter.com/ZU3nwVIZ37
草書は、文字を簡略化して筆でスムーズに書くことを重視するため、筆を止めずに流れるように書かれることが特徴です。通常、草書体は芸術的で動きのある表現が求められるため、視覚的には美しく感じる一方、一般的には読み書きでは使わないため読みにくくなる傾向になりがちです。
今年の漢字「金」、
— ぱんたこ (@pantacos) December 13, 2024
将棋ファンならだいたい読める説 pic.twitter.com/sFuuQDtbwN
将棋の香車の駒に書かれている「金」と同じ書体を参考にしたという声もSNSであがっています。将棋をよくプレイしている人々にとっては、この「金」の書き方は非常に馴染み深いものですが、一般の人にとっては、やはり視覚的に難解です。
まとめ
2024年の「今年の漢字」として選ばれた「金」は、その達筆すぎる書体が話題を呼びました。今年の漢字は清水寺で発表された直後から、SNSやニュースでもその「読みにくさ」が取り上げられました。
以上のように、今年の「金」が読みにくい理由は、書体の選択や「金」が5回目の選出であること、そして一斉展示の際に視覚的インパクトを狙った結果であることが考察出来ました。来年の漢字もどんな字が選ばれるのか、今から楽しみですね。どんな書体で発表されるのか、また新たな話題が生まれること間違いなしです!