衆院選で自民・公明が過半数割れした場合、政局はどう動くのか?総理大臣の座はどうなるのか?連立政権の可能性を含め、今後の政局の流れがどうっていくのか、あまり選挙や政権のことが詳しくなくてもわかりやすいように調査します。
正直、詳しい仕組みや流れは説明しろ、と言われても難しい…
子供に聞かれたら答えてあげられるレベルのわかりやすさでざっくり知りたい。
衆院選で自公過半数割れならどうなる?
衆院選で自公過半数割れになった後の動向としては、まず
- 自公主体による連立政権を拡大しての模索
- 野党側も政権を得るためにほかの野党への働きかけ、相互協力を確認、特別国会の首班指名のため過半数を維持
- 国会招集後の内閣総理大臣指名の決定によっては政権交代もありうる
、この流れになるようです。
主に政権交代に向け、野党筆頭としてほかの野党へ働きかけを行う中心は立憲民主党(野田佳彦代表)、となります。
衆院選で『自公民過半数割れ』とは
2024年10月の衆院選、結果は与党が過半数を割ってしまいました。これは15年ぶりのことになります。自民党と連立を組んでいる公明党の代表も落選するという、現在の政権にとっては厳しい事態です。
そもそも過半数割れとは…
自民党(自民)と公明党(公明)の連立与党が、衆議院で過半数の議席を確保できない状態を指す。
具体的には
衆議院総定数465議席のうち233議席以上を確保できない場合
自民党と公明党の連立政権が過半数を割るという結果になり、政府の運営にだんだんと影響が出てくることになります。
衆院選で自公過半数割れでどうなる?
①法律や予算の成立が難しくなり、他の政党との協力が必要になります。これにより、政策の実行が遅れる可能性があります。
難しいことはわからなくても自民党が与党でなくなったら、今の総理大臣も変わることはわかる…
②総理大臣の指名も与党だけでは決められず、野党との協議が必要になります。結果として、政局が不安定になり、経済や社会に影響を与えることが考えられます。
ますます通常よりも政策や予算の成立に時間がかかっていきそうな雰囲気。経済や外国との関係も変化が出てくること必須ですね。
衆院選で自公過半数割れなら総理大臣は?
衆議院で自公過半数割れ、わかりやすい言葉だと与党が過半数割れになった場合、総理大臣の選出プロセスは次のような流れです。
- その1特別国会の召集
衆議院選挙後、30日以内に特別国会が召集されます。この特別国会で内閣総理大臣の指名選挙が行われます。
- その2首班指名選挙
衆議院と参議院の両院で、内閣総理大臣の指名選挙が行われます。各議員が候補者に投票し、過半数の支持を得た人が総理大臣に指名されます。
- その3衆議院の優先
もし衆議院と参議院で異なる候補者が選ばれた場合、衆議院の決定が優先されます。(日本国憲法第67条に基づく)
- その4連立交渉
与党が過半数を割った場合は、ほかの政党と連立を組むことで過半数を確保しようとすることが一般的。連立交渉が成功すれば、連立政権の指示を受けた候補者が総理大臣に選ばれる可能性が高まります。
過去 政権交代し連立政権成立後に総理大臣になった人物
過去に衆議院で今回と同様、自民党と公明党が過半数割れとなり連立政権が成立した後に総理大臣になったい人物の一例としてあげられる人物がいます。
振り返るとここ30年ほどの間に2回ほど政権交代がありましたね。
1993年の政権交代
1993年の衆議院選挙で自民党が過半数を割り込んで、細川護熙(ほそかわもりひろ)氏を首班とする非自民・非共産連立政権が誕生したことがありました。
細川護熙氏がリーダーとなって政権を取ったのが日本新党でしたね!!
細川氏が日本新党の代表として非自民・非共産の連立政権を組んで、総理大臣に就任したのでした。(79代内閣総理大臣)
この政権交代には、リクルート事件や東京佐川急便事件などの政治スキャンダルが背景にありました。
細川氏の後は羽田孜(はだつとむ)氏→村山富市(むらやまとみいち)氏、と連立の首相は続きました
2009年の政権交代
2009年の衆議院選挙で民主党が大勝し、鳩山由紀夫氏が首相に就任しました。これにより自民党は長期にわたる与党の座を失い、民主党政権が誕生しました。具体的には民主党と国民新党、社民党の連立政権。
鳩山由紀夫(第93代内閣総理大臣) | 2009年9月16日 – 2010年6月8日 |
菅直人(第94代) | 2010年6月8日 – 2011年9月2日 |
野田佳彦(第95代) | 2011年9月2日 – 2012年12月26日 |
鳩山由紀夫氏の後任で首相に就任した菅直人氏の在籍中、2011年3月11日に東日本大震災が発生し、菅氏が震災対応に当たったのは記憶に新しい。
この政権時代は、東日本大震災や福島第一原発事故などの大きな課題に直面しました。
その後、民主党内の内部対立や政策の不安定さから短期間で終了、2012年末には再び自民党が政権を奪回する結果に。
今後は野党である各政党の動きも政権交代となるか、このまま自公が連立拡大で持続していくのがにおいて重要になります。現在、議席の多い野党である、立憲民主党と国民民主党の党首は次の方です。
政党名 | 党首名 |
---|---|
立憲民主党 | 野田佳彦 |
国民民主党 | 玉木雄一郎 |
日本維新の会 | 馬場伸幸 |
衆院選で自公過半数割れになって、現在の自民党が与党でなくなった場合、野党による連立政権が誕生することになれば総理大臣は上記の人物から指名される可能性が高い、ということになります。
衆院選で自公過半数割れならどうなるの?政権交代の可能性
衆院選で自公過半数割れになった後、か①政権交代か、もしくは現状②自民党主体による連立政権の模索、この流れになる可能性があります。
政権交代 与野党逆転
今後、特別国会で内閣総理大臣の指名選挙が行われます。
首相指名選挙で過半数に達しない場合、上位二人の決選投票になります。
この過程で自民党総裁以外、ほかの党首が選ばれる場合によっては与野党が逆になる=総理大臣も変わる ということも可能性があるわけです。
野党が協力しあって過半数の状態で「野田佳彦」と書いた場合には、まさに政権交代です。
しかし、国民民主党の玉木代表は指名選挙では自分の名前「玉木」と書く!と明言していました。足並みをそろえるのは難しそう!!
石破首相の去就
まず考えられるのが石破首相の立ち位置です。
まず考えられるのが選挙で大敗した責任をとって引責辞任するのでしょうか?
- 首相指名を行う特別国会が11月11日召集の見通しで期間が短い
- 大敗の原因が総裁就任直後の石破首相によるものではない(裏金問題の安倍政権やその後の岸田政権の影響によるもの)
このことから自民党内で「石破おろし」が行われる確率は低い、とみられます。
まずは、責任の所在として
【過半数割れの責任を取る】、という形で小泉進次郎選対委員長が辞任を表明しています。
としたら、次の流れはどうなりそうなのですか?
非公認議員を公認して「自民党員」を増やす
選挙中は非公認だった当選者を追加で公認して、「当選者」員を増やす、という方法。
こんなことなら、最初から「公認」してくれなかったのはなぜでしょう。
今回は裏金問題に名の上がった議員が軒並み非公認でしたね。③に該当する非公認が多い選挙でした
今回、2024年10月の衆院選後の自公過半数割れに関して、「追加公認」が増えることが予想されますが、裏金問題自体が今回の大敗の根本原因であることから裏金問題で名のあがっている議員を「追加公認」することは難しく、大幅に自民党員の「当選者」が増えることはなさそうです。
では、その次の段階はどうなりますか?
無所属議員・野党議員の取り込み
「保守系無所属」の当選者を囲い込んで、自民入党を招き入れていき増員を目指す。そのあとは、野党議員を個別に徐々に取り込んでいくこと、いわゆる「一本釣り」という行動にでて自民党員を増やす、という方法。
こちらも今回、自民党の立場がいつもより弱いので野党議員の取り込みは難しそう
連立の拡大
このままでは与党としての政策の推進が見込まれないので、2000年代に入ってからは現在の主軸になっている自民党と公明党この2党が中心でしたが、これからは2党だけではない、ほかの政党も取り入れての連立政権の枠組み拡大、を検討する流れも予想できます。
その場合、どの政党が連立として入る可能性があるのでしょう?
今のところ、二つの政党がクローズアップされています。
- 日本維新の会(馬場伸幸代表)
- 国民民主党(玉木雄一郎代表)
立憲民主党も野党の筆頭にあげられますが、まず野田佳彦代表の言動や党の方針から自民党との連立を見込める相手ではありません。
自民党の森山幹事長が選挙前から大敗を危惧して下記のような発言をしていることから、今回の衆院選における自公過半数割れをある程度予想済だったのかもしれません。
選挙期間中、森山氏は、テレビ番組で意味深な発言をしている。
「(与党が)過半数割れをしようとしまいと、同じ政策を持って、国の発展を図ろうという政党とは、協議は前向きにしていくべきだ」
「政策的に一致することができれば、拒むことはあってはならない」
引用元:読売新聞オンライン
10月27日の選挙終了直後はどちらの政党も連立入りを否定はしています。国会招集後も同様か少し気になりますね
パーシャル連合 の可能性
与党が国会で今回のように過半数を持たない場合、特定の法案を通すために野党と協議して個別に協力する態勢を指します。
その法案に関してのみ協力、という関係なので恒常的な連立政権の協力関係とは異なります。
政権交代になった時のメリットデメリット
与野党が交代になったり、連立政権の枠組みが変わってしまうと国民の日常まですぐに変化が及ぶのではないか、と不安になりがちですがメリット・デメリットで冷静に見ていくことが大事です。
まとめ
これから過半数割れの状態から特別国会召集まで
- 自民党の「追加公認」や無所属や野党議員を引き込む「一本釣り」
- 連立の枠組みの拡大の模索
…などを通じて調整が見られ、特別国会での首相指名までの流れになります。政権運営がこれまでの与党のままか、野党と入れ替わるのか、注視が必要となります。これを国民の1人として政治参加意識を持ち続けていける機会となった、として捉えるのも今回の小さな成果となりそうです。